気象病

皆さん、こんにちは。いつの間にかLOLは6周年を迎えておりました。
毎年している記念パーティーができなくて、リモートで企画しようか悩んでいるLOL店長の鹿嶋です。結果的に寂しくなるのでしないと思います(笑)

今回は会員さんから詳しく教えてほしいとリクエストがあった『気象病』について、まとめた内容です。とてもマニアックなので興味ない人はスルーで(笑)

【気象病】
気象病は、天気の変化で生じる体の不調の総称で、正式な病名ではありません。長年気象病について研究を行っている愛知医科大学の佐藤純教授は、こうした症状を「天気痛」と呼び、日本で初めて「天気痛外来」を開設しています。
気象病で悩む人は日本で約1000万人にも上ると推定されています。
ただ、現代の生活習慣によって気象病になりやすい体質になったり、局地的大雨(俗にいうゲリラ豪雨)などの極端な気象現象が目立つようになってきたことにより、年々気象病の患者数は増加傾向にあります。
気圧の変化が、急なほど症状が強くなります。主に不調を訴える人は気圧が低下する時ですが、稀に気圧が上昇するときに不調を訴える人もいます。特に症状が出やすい季節は、低気圧が定期的に通過する春や秋、梅雨時、そして台風が日本付近に接近する晩夏から秋にかけてです。冬に低気圧が日本の南岸を通過すると、太平洋側に雪が降ることがありますが、このときに症状を訴える人もいます。これは上空にある寒気の存在もかかわっているようです。

気圧の変化に温度や湿度の変化も加わると、気象病の症状が出やすいといわれています。実際に、1日の間に10度以上温度が変化したり、気圧が前の日と比べて10ヘクトパスカル以上変化したりすると、症状が出るという論文もあります。
台風は、気圧の変化が急激なうえ、移動のスピードが速いので、一番痛みがつらいという方もいます。一方、梅雨は期間が長いので、体調不良を訴える人が徐々に増える傾向にあります。
夏場によく発生する局地的大雨も、気象病を招きます。このような局地的大雨は、積乱雲によってもたらされます。ひとつの積乱雲の大きさは十数キロメートル程度なので、日本全体が表示される天気図には「低気圧」とは表示されません。しかし、積乱雲のあるところには激しい上昇気流が起こっています。上昇気流が起こっているということは気圧が低いということです。積乱雲ができれば急激に気圧が下がるので、気象病が起こるというわけです。他にも高層ビル、飛行機、エレベーターに乗っているときや離着陸時には気圧が急激に変化するので、同じ症状がでます。

人間は1平方メートルで換算すると10トンもの重さの気圧を受けており、体内からも同じ圧力で押し返すことで平衡を保っています。気圧が大きく変動すると、そのバランスが崩れ、自律神経の乱れを引き起こします。
気圧を感知しているのは、耳の奥にあって平衡感覚をつかさどる『内耳』です。
気圧の変化をキャッチすると、脳の中枢にある自律神経に伝えますが、敏感な人ではめまいを起こしたり、自律神経を乱して不調を生み出したりします。
乗り物に酔いやすい方は気圧の変化での体調不良も引き起こしやすい傾向があります。

〈症状〉
気温の変化も、寒暖差が大きかったり、湿度が上がって発汗しにくかったりすると、体温調節を行う自律神経に大きな負担をかけ、体の不調を生みやすくなります。慢性痛や不定愁訴を放置しないことが重要です。

めまい、頭痛、耳鳴り、吐き気、関節痛(特に古傷の痛み)、首や肩の凝り・痛み、全身倦怠感、低血圧、血圧の変化、関節痛、手足のしびれ、冷え症、気管支ぜんそく、神経痛、鬱や不安症など

〈原因〉

1.気圧の変化
気象病は、内耳(蝸牛)が敏感な人がなりやすいと考えられています。これまで行ってきた実験から、内耳には気圧の変化を感じるセンサーがあるのではないかという仮説を立てました。
内耳で気圧の変化を感じると、センサーでキャッチした気圧変化の情報が脳へと入り、自律神経系を活性化させます。ここで、内耳が気圧の変化に敏感だと、少し気圧が変化しただけでも、過剰に脳に情報が伝わり、交感神経か副交感神経が過剰に活性化されてしまいます。
交感神経が活発になれば痛みを感じますし、副交感神経が活発になれば、だるくなったり眠くなったりするのです。気象病で神経痛や関節痛が起こるのは交感神経が活発になりすぎて痛みの神経を直接刺激したり、血管が過剰に収縮したりして痙攣し、血管の周囲の神経を興奮させるからです。また、古傷が痛むのは、脳が過去の痛みの記憶を呼び起こすからだと考えられています。

気象病に悩んでいる人は、乗り物酔いにも悩んでいることが多く、乗り物酔いをしやすい人は、内耳が揺れに敏感です。一方、気象病は内耳が気圧の変化という「揺れ」に敏感だと起こるので、乗り物に酔いやすい人と気象病になりやすい人はある程度重なるのではないかと佐藤純先生は考えています。
気圧が変化すると、人間の体はストレスを感じるため、それに抵抗しようとして自律神経が活性化されます。自律神経系には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は血管を収縮させ、心拍数を上げて体を興奮させる働きがあります。一方、副交感神経は血管を広げて体をリラックスさせる働きがあります。交感神経と副交感神経の調整がうまくいかないと、様々な体調不良の原因となってしまうのです。

2.耳の血流不足
全気象病の人は耳の血流が悪い傾向があると言われています。

3.不良姿勢
女性やデスクワークの人に多い傾向があり、猫背や反り腰といった骨格にゆがみのある人がかかりやすいという。姿勢が悪いと体の軸がしっかり定まらず、気圧の変化を受けやすくなります。特に背骨のS字カーブが失われると、背骨の中を通る自律神経が影響され、気象の変化で症状が表れる。

4.喫煙
血流を悪くさせる煙草は、気圧の変化による体調不良をさらに助長させます。

〈対処法〉
気圧の変化による体調不良を予防するには、自律神経系のバランスを整える生活を送ることが大切です。

1.耳のコンディショニング
内耳の血流が悪くなると気圧のセンサーや自律神経に悪影響を与えやすくなります。

(1) マッサージ
マッサージで耳まわりをほぐし内耳の血行を促すと水分代謝が上がり、自律神経のバランスを整える働きも期待できます。耳マッサージは、朝昼晩3回を目安に1か月続けると、体質改善効果もあるそう。

① 耳を上下横に5秒ずつ引っ張ります。
② 耳の横の部分をつまみ、軽く引っ張りながら後ろに向かって5回ゆっくり回す
③ 耳の上に示指を当て、下に母指を当てて、そのまま上下に折りたたんで5秒キープします。
④ 耳全体を手掌で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくり5回まわします。

(2) ホットパック
ホットタオルなどで耳を温めると急な痛みや不快な症状も和らぐケースもあります。

2.ハーブセラピー
気圧の変化でむくみを感じたら、水分の排出を促す西洋タンポポやクコの葉、ネトルのハーブティ-も効果的です。

3.内服薬
抗めまい薬は内耳の血流を改善する作用があり、酔い止めの薬は内耳から脳へ気圧の変化の伝達を抑制する作用があります。漢方薬を使う場合もあり、体内の水分の循環を良くする「五苓散(ごれいさん)」にも同様の効果が期待できるという。天気が崩れる前に摂取することがポイントです。

参考『まんがでわかる天気痛の治し方』(イースト・プレス)

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